お世話になっているクライアントさんからチケットを頂き、妻と歌舞伎を観に行ってまいりました。
團菊祭五月大歌舞伎
第一部の『祇園祭礼信仰記』と『あやめ浴衣』を観たのですが、素晴らしい体験でした。
チケットを頂いた方から「予習していくと良いですよ」とアドバイスをもらったので、こちらから「あらすじ」等を確認した上で望んだのですが……惜しむらくは「同時解説イヤホンガイド」を借りなかったことでしょうか。細かい部分がわからぬまま、物語が進んでしまいました。
それでも、何となく物語を理解していたこともあって、途中からは舞台に入り込み、とても楽しむことができました。不思議とセリフも頭の中に入ってきたのは「聴くこと」が意識出来たからかもしれません。
片岡愛之助さんに惹き込まれる
特に魅力的に感じたのは片岡愛之助さんです。云わば「ひときわ輝いて見えた」といった感じです。声の響きに、何か特別なものがあるような。もっとシンプルに言えば「ずっと観てられるし、ずっと観ていたいな」という気持ちが沸き起こる。舞台や役者さんのファンになる方の心理が、とてもよくわかりました。
もちろん、生の舞台の迫力というのも、多分に後押ししたと思います。
僕たちは皆、舞台で演じている
歌舞伎を体験しながら、改めてそれが思い浮かびました。
舞台の横の方で演奏されている音楽や、語り(竹本・義太夫節と呼ぶのでしょうか)が、それを想起させました。
日常を過ごす僕たちは「自分」を演じています。周りをよくよく観察してみると、歌舞伎の音楽のような、その舞台に溶け込むような沢山の演出に囲まれていることに気が付けることと思います。都合によっては、黒衣(くろご)の存在も感じることができるかもしれません。
歌舞伎の舞台を観るように、自分という舞台を観る自身が、確かに存在すること。
そんなことに気が付いてみると、これからの自分の物語を、より魅力的なものにしていきたいと考え、また、このシナリオを書いた脚本家への期待もしつつ、日々の一つひとつを楽しんで生きたいと思います。
雑記になりましたが、この日の体験を忘れない為にも。
そして、また折には観に行きます。
歌舞伎未体験の方は、是非(イヤホンガイドを借りるのも忘れずに)。