耳を傾けて聴こう

例えばそれは……
コンサートホールにたった一つ置かれたピアノが奏でる、極々小さな音に耳を傾けるように。

演奏者は一人。
観客席には、ポツンとあなた一人。

演奏者はあなただけの為に、鍵盤を優しく叩きます。
コンサートホールに「ポン――」と、小さくて優しい音が響きます。

その音を聴くためにすることは何でしょうか?

何もありません。
むしろ、何かをしていたら聴けません。
他の何かを気にしていたら聴けません。

演奏者は、いつでもあなたの為に、ピアノを奏でています。
例えあなたが耳を傾けなかったとしても、奏で続けています。

但し、演奏者は(良くも悪くも)観客のあなたを優先してしまいます。
あなたが他の何かをする時には、邪魔にならないように、さらに小さな音で奏でます。

小さな BGM として、あくまで、あなたのすることを立ててくれます。

でも、あなたが、耳を傾けてくれたなら、今度はそれが嬉しくなります。
美しい旋律から始まり、柔らかくも徐々に力強く、優しくも大胆に、歓びの楽曲が奏でられます。